共通テーマ「学生と企業イメージ」
 本研究は、商学研究の技術を身につけるためのトレーニングを目的とした、ゼミ3年次の活動である。
 合同ゼミにおいて、有益なコメントをいただいた北大路先生、ユン先生、鈴木竜太先生、そして、北大路ゼミ、ユンゼミ、鈴木竜太ゼミの皆様に感謝いたします。






女性ファッション雑誌のイメージに関する研究(結果要旨)     

                                            

岩崎ゼミナール3年生(サブゼミ2班)
尾澤正人 田中千春 永田茜 夏目亜美 平野好美 村瀬智春

研究概要

 本研究では、学生にとって身近で手軽に購入できる「雑誌」に焦点を当て、イメージ研究を行った。
 その種類は豊富であるため、本研究では「知名度の高い10種類の女性ファッション雑誌」に限定した。これらの雑誌を学生はどのような基準で選んでいるのか、それは自分の雑誌に対するイメージと一致しているのか、また、企業が雑誌をつくる上でのコンセプトと実際に学生の持つイメージとの間に差は生じていないのか、実際にアンケート調査を行うことで、これらの疑問点を明らかにしていく。

 アンケート調査により得られたイメージの評価を、知覚マップ上に示した。(下図1,2参照)これは、雑誌についての類似度を7段階評価してもらい、類似度の高いもの同士は近い距離、類似度の低いもの同士は遠い距離に位置させたものである。これらをもとに軸の分析を行った結果、学生は特にファッションの傾向(縦軸)とブランド(横軸)によって雑誌を分類していると把握できた。また、雑誌の購入率と立ち読み率を調べたところ、「nonno」と「spring」(知覚マップ上の第二象限)が最も高いという結果が得られた。逆にこれらと対象に位置する雑誌の購読率は低かった。

 このようなことから、学生は強いブランド志向、個性的なファッションを意識した雑誌は好まず、価格が1万円前後のシンプルなファッションを好んでいることが分かった。また、これらの分野に位置する知名度の高い雑誌は以外と少ない。企業側はこのゾーンに着目し、雑誌を出版していけばよいということが、本研究を通して得られた示唆である。


図1:知覚マップ

 マップは、Multi-Dimensional Scalingを利用した類似度データアプローチにより作成。






















図2:ファッション実例入り知覚マップ