静岡県農業法人協会との連携

2021年度ABC事業の成果報告会!
  (静岡県立大学公式facebookページより)


 経営情報学部の岩崎ゼミと静岡県農業法人協会が連携して実施している「アグリビジネスコンサルティング事業(通称:ABC事業)」の成果発表会が、12月6日に静岡県農業会館で行われました。
今年度の事業は、6月にスタート。学生たちは、半年にわたり現地訪問や、受診企業との意見交換を繰り返し、精力的にコンサルティングを行いました。

 はじめに、苔を生産する「株式会社モスファーム(富士宮市)」担当のチームから、既存商品の認知度向上に向けた取り組みが紹介されました。ターゲット層を明確にして既存商品のリニューアルを行い、商品価値を高めるとともに、SNS改善やインスタグラム広告を開始するなど、実効性のあるプロモーションを行いました。リニューアル後の商品モニター調査も行い、消費者への細やかな配慮が光りました。

 続いて、お茶といちごを生産する「やまも製茶株式会社(袋井市)」担当のチームから、いちごを中心とした新規顧客獲得についての取り組みが紹介されました。新名称の商標登録をしたほか、SNSの改善や、パッケージの作成、看板の設置、パンフレットの作成など、デジタルとアナログを併用したマーケティングを実践しました。媒体のデザインを統一するなど、ブランドイメージの構築を意識したことも紹介し、会場から感心の声が上がりました。

 多肉植物を生産する「株式会社カクト・ロコ(浜松市)」担当のチームからは、カクト・ロコの新規商品であるトマトケチャップを商品として軌道に乗せるための取り組みが紹介されました。生産者の「食にこだわりたい」という思いに共感し、商品の魅力が最大限に伝わるネーミングやパッケージデザインを考案しました。また、トマトケチャップを使用したレシピの考案や、SNSでの情報発信、手書きPOP作成など、今後の認知度向上に向けた期待感の高まる発表となりました。

 最後に、米・小松菜を生産する「株式会社じゅんちゃんファーム(浜松市)」担当のチームから、音響栽培で生産する「踊ら米か」について、メディアを活用したブランド構築戦略の取り組みが紹介されました。キャッチコピーを公募し、それを積極的にメディアに取り上げてもらった結果、全国から1300件以上の応募があったことを発表すると会場から驚きの声が上がりました。その他にもIT技術を用いたスマート農業実践や、「コト消費」を意識したイベント企画など様々な取り組みが紹介されました。

最後に岩崎邦彦教授は「これからの農業は、生産者目線の品質だけでなく、どうしたら消費者に“おいしさ”が伝わるかを考えることが大切。ABC事業の魅力は、アイデア提案だけでなく、学生と法人が力をあわせて実践につなげていることにある。この事業によって、法人と学生との絆も生まれている。ご支援いただいた皆様に感謝を申し上げます」と講評しました。

どのグループでも、生産者から学生のがんばりを称える声と、学生から生産者が自分たちの提案をなんとか実現しようとしてくれる姿への感謝の声があがり、心温まる交流が感じられる発表会となりました。



集合写真

  

 
発表会の様子




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