ドイツのドルトムント(Dortmunnd)



NRW(ノルトライン・ヴェストファーレン)州にあるドルトムント(Dortmund)は、戦後、重工業の発展で栄えてきた地域である。とりわけ鉄鋼産業、石炭産業、ビール産業にこの地域の70%の労働者が雇用されていた。しかし、70年代後半からこの地域の経済を支えてきた重工業が衰退し、90年代になるとこれらの産業の雇用は微々たるものに低下した。重工業の衰退に伴い、失業率は増加し、ドルトムントは危機的な状況に陥った。

1999年、「何とかしなければ」という人々の危機意識のうねりを背景に、新しく市長に当選されたLangemeyer市長のリーダーシップのもと、新しい産業構造への転換による雇用創出を柱とする都市再生プロジェクト「Dortmund Project」(以下、DP)が立ち上がった。10年間(2000年〜2010年)の長期プロジェクトであるDPは、順調な成果をあげ、新産業の育成とそれによる雇用創出に成功し、ドルトムントはEUにおいて新しい成長地域として注目されている。


Dortmund大学、Technology Centre Dortmunddでの聞き取り調査